葦田不見(Ashida Mizu)

詩をかきます。言葉をつむぎます。エッセイとか日記とか。

コーベイイマチ

5月2日。兵庫県立美術館に来た。新宮晋さんの作品を見るためだ。もちろんひとり。

たっぷり作品を堪能して、グッズやお土産なんかも買っちゃってちょっといい気分。
新宮晋さんといえば、風の彫刻家って言われるような人で、絶えず動く彫刻を見て、「あ、風って見えるんだ」なんて思ったりして。


このまま帰るのもさみしいと思い、海沿いの階段に腰掛けて一休み。海とはいっても、目の前が埋立て地で高速道路なんかも走っちゃってるから、大きな川を見ている気分。

水面が揺れる。風が見える。



同じ階段の左側に目を向ければ、何かを書いている妙齢の女性、おやつタイムのおじさん。右に目をやればたぶん授業の課題で絵を描いている中高生(知っている、神戸のめっちゃ賢い進学校)、釣りをしているおじいさん。


コーベイイマチ。



絵を描くのに飽きた男の子たちは遊びにいっちゃって、真面目に書き続けている女の子の視線がかすめるのはオブジェの肩。ピッカピカの金属でできたワンピースを着て、同じくピッカピカの金属でできたブーツを履いている。たぶんヤノベケンジさんの作品。

顔は見えないけれど、なんとなく惹かれる気持ちになって、ワンピースの下が見えないかな、なんて男子中高生みたいなことを思うの。

自分よりずっと幼くてずっと賢い中高生がいる前で私は何を思っているんだろう。
彼女たちの絵に、ワンピースを覗き込む大学生が写ってしまう、ああ、でも…。



お願いです、新宮晋さん、今こそ風を吹かせてください。
例の作品の如く。